木箱入り端渓硯 大きさ約 10✖️8✖️1.7cm 3箇所目有り 端渓硯とは、中国広東省肇慶市を産地とする“端渓石”と呼ばれる種類の石を素材として作られた硯の名称であり、硯の一種類です。しかし、端渓硯は単なる硯の一種類ではなく、おおよそ、その出現時(初唐)から“硯の最高峰”として絶対的な地位を他に譲ることはありませんでした。 王朝期時代、端渓硯の佳品ともなれば皇帝へ貢がれ、また、高級官僚のあいだではそれを所有することがステータスともなり、ときには賄賂として使われることもあったほど希少で収蔵価値の高い硯でした。 古来、端渓硯は硯としてのその優秀さを称賛されてきました。 “墨の伸びが良い”、“墨色が良い”、“墨の下りがはやい”、“墨を磨る力が衰えない”、“溜めた墨が涸れない”、“筆先を損じない“ なぜ、端渓硯は硯として必要な諸条件を満たしているのか、現代の科学的調査からその理由が解明されています。端渓石のモース硬度は極めて低く、粒度は極めて細かく、また吸水性、透水性においても極めて低いということです。これらの特性が優秀な硯であるための条件と合致しているからだとされます。 中国では、房は"室"という意味で、詩や文章を書く部屋、あるいは書や書画・水墨画等を制作する部屋を"文房"といいます。文房は日本的に言えば書斎であり、アトリエということになりますが、その文房に欠かすことのできない硯、墨、筆、紙は「文房四宝」と呼ばれます。なかでも硯は文房四宝の王さまとされますが、それは硯が唯一、消耗品ではなく、万世不朽な恒久品であるということに付け加え、やはり、端渓硯の長所が凝縮された硯の最高峰、老坑水巌石の存在によってその座を獲得したといっても過言ではありません。 #書道 ゆうパケットプラスにて出荷予定