ドラゴンモデルズ社製、2004年発売のドイツ陸軍南方軍集団所属クリストフ・アーンツ擲弾兵のフィギュアになります。南方軍集団はバルバロッサ作戦に備えて北方軍集団、中央軍集団と共に編成された３つのドイツ軍集団の中の１つでした。当時ソビエト連邦の工業及び鉱業の中心地であったウクライナを奪取する事が主要目的でした。しかし北方中央軍集団が極寒の冬に阻まれモスクワ直前で敗退しバルバロッサ作戦は失敗に終わります。翌1942年初夏、南方軍集団は南部戦線に於けるブラウ作戦での戦略上の再編成によりA軍集団とB軍集団に2分割され消滅します。その後1943年2月に南部戦線で展開していたドン軍集団と既存のB軍集団が統合、再び南方軍集団が編成されエーリヒ・フォン・マンシュタイン元帥指揮下で第三次ハリコフ攻防戦に投入されハリコフを再奪還します。スターリングラード攻防戦以来続いていたドイツ軍のこの地域での危機は回避され逆に赤軍南翼の方が崩壊状態に追い込まれます。この勝利によりクルスクを中心とした特出部(バルジ)が形成され7月のクルスク戦へと繋がって行きます。ハリコフはキエフに次ぐウクライナの大都市で1941年のバルバロッサ作戦時の第一次ハリコフ攻防戦から1943年夏の第四次まで実に4度に渡り赤軍との間で一進一退の攻防戦が繰り広げられた場所です。フィギュアのタイトルとなっている "ウクライナ1943" は第三次〜四次ハリコフ攻防戦の時期を指しています。赤軍T-34KV-1に対して最新鋭のティガーIが投入された史上最大の戦車戦として知られています。1943年3月からは悪化した東部戦線の戦況を受け軍の士気を挙げる為にプロイセン騎士時代の陸軍エリートの伝統に倣って歩兵の事を擲弾兵(Grenadier)、特に機械化(自動車化)された擲弾兵を装甲擲弾兵(Panzergrenadier)と呼称するようになりました。フィギュアの肩章には歩兵を示す兵科色の白いストライプが入っていますが実質上は対戦車攻撃を行う擲弾兵の設定がされており歩兵基本装備品に加え2種類／4個の手榴弾が付属します。(パンツァーファーストの装備は1943年夏以降)。またヘルメットは金属製が同梱されます。品物のコンディションは箱に凹み細かいキズは有りますがフィギュア本体は未使用品です。ご興味がお有りの方に3Nの条件付きで宜しくお願い致します。
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