①ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』 第一幕へ前奏曲 ②モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 ③ドヴォルザーク:交響曲第8番 フリードリヒ・グルダ(ピアノ) ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 ルドルフ・ケンペ(指揮) 録音:1972年11月29日 ライヴ(ステレオ) 1972年11月29日、ドイツ正統派の巨匠として黄金期を迎えつつあったケンペ&ミュンヘン・フィルはデュッセルドルフでの慈善演奏会に出演しました。大統領夫妻が臨席した当日のコンサートは、晴れやかな雰囲気の中、ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』前奏曲により堂々と開始されます。ケンペの微妙にテンポを揺らした柔軟なアプローチとミュンヘン・フィルの明るく充実した響きが快適です。 2曲目は当日の呼び物となっていた人気ピアニスト、フリードリヒ・グルダによるモーツァルトのピアノ協奏曲第27番。グルダは持ち前の美音を駆使し、控えめで端正な表現ながらも力強さと軽やかさを併せ持った表情豊かな演奏を聞かせます。第2楽章や第3楽章で頻出するグルダならではの自由な装飾音も自然な感興に溢れており魅力的です。 そしてプログラムの最後を飾ったのがドヴォルザークの交響曲第8番。ケンペの特質である自然で流麗なフレージング、透明な音色感、生気に満ちたエネルギーの解放が際立った演奏です。第1楽章冒頭から美しく歌うチェロに心奪われ、コーダでは見事なアッチェレランドが白熱したクライマックスを演出します。有名な第3楽章は特に聴き物で、ケンペの繊細なリリシズムを反映し、時にポルタメントをかけたノスタルジックで甘美な弦の旋律が印象的です。 一夜のコンサートをまるごと収録しています。なんと魅力的なプログラムと出演者でしょうか。慈愛に満ちた優しく柔らかで伸びやかな音色が全体を覆っています。 音楽評論家:福島章恭氏 「ケンペの指揮にはケンペ独自の味があって、芸人グルダの血も聴衆を前にしたときほど騒ぐようだ。グルダの宝石のように美しい音には、他の盤には無かったものだし、端正な居ずまいとほのかな憂愁にグルダの円熟を聴く思いかする。」 輸入盤(廃盤)、盤面傷無し 3 *まとめ買い値引き致します(例外もあります)
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