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河鍋暁斎　暁斎百鬼画談安村敏信監修・解説ちくま学芸文庫 2009 幕末明治の天才画家・河鍋暁斎。狩野派仕込みの卓抜した腕前、明治の大物建築家ジョサイア・コンドルを弟子にとり、新し物好きで諷刺・茶化しが大好き、肉筆美人画から浮世絵、戯画、春画まで何でもござれの幅広い仕事ぶりだが、なかでも妖怪画・化物画は有名だ。本書はいにしえの「百鬼夜行絵巻」を踏まえて描いた遺作の版本、『暁斎百鬼画談』を全ページカラーで収録、奇にして怪、滑稽と愛嬌に満ちた妖怪たちの魅力を余すところなく再現する。近年再評価の機運著しい暁斎の、多彩な画業を俯瞰する、充実した解説を収録。暁斎の妖怪ワールドへようこそ。目次 “妖怪的なるもの”の気配―『暁斎百鬼画談』を読み解く『暁斎百鬼画談』参考図版（『芝居説話画帖』より；『江戸名所伝奇画帖』１より；『江戸名所伝奇画帖』２より；『狂斎興画帳』より；『暁斎酔画』二編より；『暁斎鈍画』より；『暁斎楽画』第三号「化々学校」）解説　蘇る巨人・河鍋暁斎図版解説　妖怪たちはどこから来たのか河鍋暁斎の「暁斎百鬼画談」について三人の研究者が解説を加える。土佐光信の「百鬼夜行絵巻」を題材として描かれているが、右から左へと水平に妖怪が配されているそれとは異なり左から右へ縦横無尽に駆けまわる妖怪たちが特徴的。巻末に至ると妖怪たちは太陽のようなものから逃げていた結果として骸骨軍団と対面していたことが判明。暁斎の他の作品では「開化放屁合戦絵巻」「処刑場跡描絵羽織」「風流蛙大合戦之図」「髑髏と蜥蜴」「地獄極楽めぐり図」が印象的。「枯木寒鴉図」に百円という法外な値をつけた話から豪傑な暁斎の性格が垣間見える。鳥山石燕画図百鬼夜行全画集所収の妖怪のいくつか(震々、毛羽毛現、目目連など)が鬼太郎シリーズの主題にとられています。1889年刊の暁斎筆折本(カラー)によると暁斎自身は石燕と違い妖怪に特別嗜好はなくただ時代の求めに応じて描いたものといい、幕末明治も妖怪に対する人気は高かったとみえます。文庫判ながら、「暁斎百鬼画談」は丸ごとカラー図版なのが嬉しい。解説、図版解説もなかなか良い。（レビューより） #河鍋暁斎 #安村敏信 #芸術 #美術 #日本 #アート #浮世絵 #絵師 #文化 #百鬼夜行絵巻 #妖怪 #江戸時代 #幕末 #明治 #本 #BOOK