旧北ベトナム(ベトナム民主共和国 Việt Nam Dân chủ Cộng hòa)で発行された象の切手です。 左２枚 １９７１年発行 右２枚 １９７４年発行 北ベトナムは、今のベトナムが南北に分断していた頃の国家です。 １ 日本によりフランス支配終了 フランスの植民地（フランス領インドシナ、仏印）の一部であったベトナムに、日本軍が進駐。大戦末期の1945年3月11日に、フランス植民地政府が打倒。 ２ ベトナム帝国 フランス支配下にあったベトナム王朝、阮朝(げんちょう)が、ベトナム帝国が樹立。 ３ 日本降伏とベトナム帝国の崩壊 その年の8月15日に日本軍がフランスを初めとする連合国軍に降伏。2日後の8月17日に、ベトナム独立同盟会（ベトミン）は八月革命を起こし、ホー・チ・ミンがハノイでベトナム民主共和国の独立を宣言。ベトナム帝国が崩壊。 ４ 北に中国、南でフランスの分離工作 ベトナムは連合国軍の占領下に。北部には中華民国軍が、南部にはイギリス軍が進駐。その後、旧植民地の再支配を謀るフランス軍が再進駐。フランスは1945年9月末にはサイゴンの支配権を奪取。ベトミンとの武力衝突が発生する。インドシナ一帯の再支配を目論むフランス政府は、ベトナムが共産主義国家として独立することを拒否し、コーチシナ共和国の樹立などさまざまなかたちで、ベトナムの南北分離工作を行う。 ５ インドシナ戦争へ ベトミンは、山岳地帯にこもってゲリラ戦で対抗。日本軍兵士の一部も残留日本兵としてベトミン軍に参加。戦争の長期化に直面したフランスは1949年6月、ベトナム民主共和国に代わる国家としてベトナム国をサイゴンに成立させる。アメリカ、イギリスもこれを承認。これに対して1950年、ベトナム民主共和国がソビエト連邦と中華人民共和国から国家承認を受け、両国からの援助を得ながら抗戦を続ける。 ６フランスの敗北 戦争に疲れたフランス国民の厭戦感を高め、ジュネーヴ会議を開始。1954年7月21日にジュネーヴ休戦協定により、ベトナムの国土は北緯17度線で南北に分割される。北ベトナムをベトナム民主共和国が、南ベトナムをベトナム国が（1955年まで）統治し、政府の形態は選挙で決めることになった。 しかし、共産主義化を嫌うアメリカを初めとして、この調印はされなかった。 c３